小児矯正

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大変申し訳ありませんが、ご了承いただけますと幸いです。

小児矯正とは

小児矯正とはお子さんの歯並びや歯の成長過程で心配になることがあると思います。たとえば、

  • 歯がガタガタで永久歯になっても治らないんじゃないか
  • 出っ歯だったり、受け口だったりする
  • 口元に締まりがない
  • すきっ歯がひどい

などを心配する親御さんも多いと思います。
子どものうちに歯並びを矯正し、将来、永久歯が生えそろった後も美しい歯並びにしてあげたいと思うのは当然でしょう。

歯並びが悪い理由:小さな顎骨

歯並びが悪く、上下の歯の噛み合わせがズレている状態を不正咬合といいます。なぜ不正咬合が起きるかというと、歯が並ぶためのスペースが足りないからです。欧米化した食事で柔らかい食物が増えたことなどが原因となって、全体的に日本人の子どもの顎が小さくなっており、正常位置からズレている子も増えていることが背景にあります。
成人の矯正ではすでに骨の成長が止まっておりスペースを確保するために歯を抜いたりします。小児矯正では骨の成長を利用して床矯正(しょうきょうせい)やワイヤー矯正で顎骨を横に広げたり、奥に移動させたりして、できるだけ歯を抜かずにスペースを確保し、歯がきれいに並ぶようにしてきました。
ただ、子どもへの矯正治療として、それで十分だろうかと私たちは考えたいます。

子どもの健全な成長に関わる「呼吸」の問題

顎が小さくなっていることは、歯並びに悪影響があるだけでなく、じつは子どもの成長・発育にとって大きなリスクがあります。
上顎(上顎骨複合体)が小さかったり位置がずれていたりすると鼻腔が狭まってしまい、呼吸がしにくくなります。また、下顎が小さくなると舌が収まるスペースが小さく、舌根が気道に落ちていびきが出たり口呼吸になったり、場合によっては睡眠時無呼吸症候群になったりします。

呼吸がうまくできないことが原因となる病気、アレルギー

人は寝ている時に脳も成長していきますが、子どもはなおさらです。十分な酸素が脳に行き届かないと、学力低下、物忘れ、情緒不安定、悪い姿勢、多動傾向、中耳炎、蓄膿症などにつながることがあります。
さらに口呼吸に頼ることが多くなり、口をポカンと開けていることも多くなって汚染物質が直接体に入りこともあります。扁桃腺の腫れ、アレルギー鼻炎などの症状が起こることもあります。

呼吸を改善すると歯列も正常になる

話がどんどん歯科、小児矯正から離れてきたのではと感じられるかもしれません。でも、ここが大事なのです。

当院が推奨している矯正は、顎骨矯正です。歯が並ぶスペースとしての顎の発育だけではなく鼻呼吸を確保するための骨格、鼻腔、気道、正しい舌の位置、姿勢などを考えた治療法です。

上顎(中顔面・上顎骨複合体)の形が変わると呼吸が変わります。呼吸が変わると噛み合わせが変わります。上顎の位置のズレが呼吸をしにくくするのですが、逆に適切な状態であれば呼吸も正常になり、舌の位置も良くなって口腔周囲筋も正常になります。その結果、顎関節の動きも正常化し、歯が並ぶスペースが確保され歯列も正常に整います。

小児矯正(歯列矯正)と顎骨矯正の違い

小児矯正(歯列矯正)と顎骨矯正の違い顎骨矯正は、正常な成長が妨げられている顎骨を矯正することで、結果的に歯並びが美しくなるというものです。顎骨矯正は、一般的な歯科医が行う小児矯正(床矯正、ワイヤー矯正)ではできません。何より矯正に対する考え方が根本から違います。

一般的な小児矯正とは

歯並びを整えるのが目的です。そのために頬骨を側方に拡大して、今後生えてくる歯がきちんとまっすぐ生えて並ぶように、スペースを確保します。

顎骨矯正の考え方

目的は、呼吸を正常化して、いつまでも健康な体を獲得することです。そのために顎骨の矯正を行います。結果としてスペースが確保されるために自然とは並びが美しくなります。また、全身の健康に寄与して、子どもが能力を最大限に発揮できる素地をつくります。

世界最先端のRAMPA(ランパ)矯正とは

RAMPA矯正というのは、顎顔面口腔育成研究会(JACG)が推奨している顎骨矯正法です。上顎の前方成長を基本概念にして、鼻呼吸ができる骨格と周囲軟組織を含めた口腔育成を行うもので、正しい方向へ十分な量の顎の成長があり、それに伴って軟組織(口唇、舌)が正しく機能していれば、歯は自然と並ぶべき位置に並ぶという原理にのっとった治療法です。

RAMPA矯正の目的

RAMPA矯正の目的は美しい歯並びではなく、「鼻呼吸の獲得と、それに伴う疾患の予防・改善」です。目的が達せされれば、自然と美しい歯並びになるという考え方です。
顔面で呼吸に関連する組織のうちもっとも基本となるのが舌位です。舌位が正常な位置にあると口腔周囲筋が整い、気道が正常に拡張されて上顎骨複合体(上顎)、下顎骨が正常に広がり、そのすべての結果として歯並びが整うのです。
矯正ができ、効果が見込める上顎骨複合体を矯正治療することで、呼吸に関係する組織を正常にしていきます。

呼吸を無視した小児矯正治療による負の連鎖

呼吸が改善されると歯並びが美しくなるだけでなく、滑舌や姿勢もよくなります。しかし、歯並びだけを整えて呼吸が改善されないでいると、舌の力や姿勢の悪さによって歯並びはまた乱れていきます。成人してしまうと抜歯して歯並びのスペースをつくらざるを得ないケースもあり、口腔容積が減ってさらに舌の位置がずれて呼吸がしにくくなります。それが姿勢を崩して……と、負の連鎖が続いてしまいます。

RAMPA矯正の具体的治療法

RAMPA矯正では、上顎骨複合体の前上方の成長を適正化させる方法を取ります。骨格矯正、リップシールド(口唇閉鎖)治療でもあります。
RAMPA装置とバイオブロック装置を用い、上顎骨複合体(中顔面)を前上方の方向に引っ張って矯正します。同時に、上下の顎骨を横に拡げます。

RAMPA治療で使用する矯正装置

RAMPA装置

RAMPA装置とは、ヘッドギア型の装置をいいます。個々人に合わせてつくられるフルオーダーメイドで、樹脂やフレーム製のパッドなどさまざまなものがあります。頭頂部と頬を固定源にする口腔外のフェイスマスク、バンド、口腔内装置、着脱可能なアクティブボウからなります。
もっとも効果があるのは5~12歳の成長期の子どもですが、大人でも治療可能です。

バイオブロック装置

バイオブロック装置は、顎顔面の成長方向を正しい方向に修正するための装置です。6番あるいは5番の乳歯をアンカーにして顎骨を前方に拡張します。アンカーに乳歯が必要で、5~8歳前後程度の子どもが対象になります。受け口の治療には向いていません。

RAMPA治療ができる年齢と歯科医院

バイオブロック矯正は5〜8歳、RAMPA矯正は成人も可

RAMPA矯正は大人でも治療できますが、治療に最適な年齢は、顎骨が成長する5~12歳前後となります。
バイオブロック矯正には治療できる年齢が存在しています。この治療は、顎骨が成長していく力と乳歯を用いて顎を拡張していきます。そのため、乳歯のある期間、要するに5~8歳前後の子どもが対象です。

RAMPA矯正が受診できるのは日本で150医院のみ

RAMPA矯正は、顎骨の前方拡大を実現できる唯一の矯正方法です。ご興味を持たれた親御さんは一度当院にご相談ください。また、遠方の場合には、顎顔面口腔育成研究会(JACG)に歯科医院検索のページがございますので、ご活用ください。現在この治療法に取り組んでいる歯科医院は150件ほどです(2018年7月現在)。

RAMPA矯正で改善可能な症状

ご紹介してきたように、RAMPA矯正では歯並びの矯正は治療の結果のひとつに過ぎません。全身にわたって、以下のような症状の改善が期待できます。

  • 行動に落ち着きがない
  • 多動傾向にある
  • 口呼吸である
  • 「うけ口」(下歯が前に出ている)である
  • 鼻炎、アレルギー性鼻炎がある
  • 鼻がよく詰まる、蓄膿症である
  • 鼻の位置がズレている(鼻中湾曲症)
  • 中耳炎になりやすい
  • ガミースマイル(笑顔の時に大きく歯茎が見える)
  • いびきをかく
  • 乳歯時期であるのに、歯間の隙間が埋まっている
  • 姿勢が悪い

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